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自分の会社で「ブランディング」を始める方法

ブランドデザイン

ブランディングというと、ブランドデザインファームや制作会社などに数百万から数千万円かけてクリエイティブを依頼しなければならないと考える方も多いかもしれません。しかし、それだけのコストをかけずとも、自社ホームページ上にコンテンツを掲載したり、書籍を出版したりするだけで、企業ブランディングの向上は実現するのです。

確かにコンテンツ制作に関わる社員の工数はかかりますが、自社でコンテンツブランディングを実施することで、認知度・エンゲージメントの向上から売り上げの増加につなげることにも期待できます。

コンテンツブランディングはやみくもに手をつけ、まるで社員のブログのようなものを掲載してもあまり意味がありません。ユーザーがとくに重視し、企業の価値やブランドが明るみになる以下の情報を重点的に着手していくことをおすすめします。

 

1.IR・CSR

それではまず、ブランディングを行う上で重要な要素の1つである.IR・CSRについてみてみましょう。

IR(インベスターリレーションズ)

IR(Investor Relations/投資家向け広報活動)と聞くと、株主向けに企業の業績に関する情報を提供するための資料で、難しい数字が並んだ面白みのないものであるというイメージが強いかもしれません。また、大企業や上場企業のみが行うものだというイメージもあるでしょう。しかし、IRはブランディングを効果的にするための格好の対象なのです。

そもそもIR活動とは、成長戦略を数値に基づいて資料で説明することです。現状の企業の強みを紹介し、市場機会を分析した上で勝ち抜くための戦略を公開。そして将来実現したいビジョンを語ることで成り立ちます。社長や担当者だけがIRを語るのではなく、全社員が成長戦略に従って活動することで、企業価値は大きく向上します。また、読み手に取って伝わりやすいIRを公開することで、企業の戦略や価値をユーザーに理解してもらうことが可能になり、なおかつ高いユーザビリティに対して好感を持つことは間違いありません。

一般財団法人日本IR協議会は、優れたIR活動を実施している企業を表彰する活動を行っています。2018年に大賞に選ばれたエーザイは、情報開示に積極的で経営トップと投資家が経営課題を率直に語っている点が高く評価されています。業績に影響を与える可能性のある情報は適時開示し、迅速に説明会を開催するなど投資家やユーザーにとって安心感を与える運営を行っています。

ホスピタリティの代名詞的存在であるオリエンタルランドのIR情報ページも傑作です。「決算短信」や「決算説明会」、「株主通信」など様々な情報をジャンルごとに分けて冊子化しており、さらに冊子の説明部分には「難易度:やさしい⇔むずかしい」という表記が記載されています。冊子の内容もデザインにこだわっており、まるでファンクラブの会報を読んでいるような気分にさせられます。読み手のことを第一に考えたこの構成は、まさしくオリエンタルランドのブランドを体現していると言えるでしょう。

CSR

CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)も、企業ブランドを構築する上で有効です。ブランディングは、強い商品ブランドによって顧客のロイヤルティを獲得するというイメージを持たれていますが、CSRによって企業ブランドを築き上げ、ユーザーをはじめとするステークホルダーからの信頼度とエンゲージメントを高めるという視点も重要になります。企業は利潤追求を目的として運営されますが、長期的に存続し顧客に愛されるためには、社会の一員として企業を取り巻くステークホルダーと有効な関係を結ぶ必要があるためです。

例えば、日清食品の主力商品であるインスタント麺「カップヌードル」は、リフィル販売をすることによって容器の資源削減に努めています。トヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」は、有害汚染物質排出量を削減することで環境に優しいというイメージを獲得。TOTOは、水の使用量を抑えた水洗トイレやユニバーサルデザインを取り入れた商品を積極的に開発しています。意識の高いユーザーはこのような企業姿勢を高く評価し、能動的に商品を購入する傾向があります。

CSRは企業規模の大小を問わず、どのような組織体でも取り組むことができ、社会にとって望ましい形で存在感を発揮することが可能になります。その企業ならではの強みをCSRで発揮することで、時代が求める新しい企業競争力となるでしょう。また、社会に対してどのようなミッション・バリューを提供しているかということは、とくに優秀な人材獲得に大きく寄与します。

2.統合報告書

統合報告書は、企業の情報発信や価値向上のためのツールとして近年注目されており、大企業だけでなく中小企業でも取り組むケースが増加しています。統合報告書とは企業の強みである知的資産と財務データの両観点から、経営ビジョンや今後の事業展開についてまとめた報告書です。

財務データと定性的データ

財務データには定量的な情報であり、売上や利益など損益計算書に記載されるデータと、貸借対照表に記載されるデータが存在します。これらは企業の経営情報を如実に表す情報でありますが、読み込むためには労力がかかり、社内外のステークホルダーに企業の強みを伝えるために十分とは言えません。

そこで重要になるのが、知的資産である定性的データです。経営理念や経営ビジョン、経営能力の高さ、社員のスキルやノウハウ、商品開発力や商品力、優良な仕入れ先や得意先などがこれに当たります。これらの情報は決算書の数値データには現れませんが、売上や利益を創出するための重要なファクターです。

知的資産に関する情報をまとめた資料を知的資産経営報告書と言い、これを活用することで、社内外のステークホルダーに対し、決算書では表現できない企業価値を理解してもらうことが可能になります。知的資産経営報告書と決算書の内容を組み合わせて、統合報告書を作成することで、より説得力のあるブランディングを構築することができるのです。

知的資産の情報を開示することの効果

例えば、東京大学は創設140周年にあたり統合報告書をリリースしました。それまでは定型的な財務レポートを公表していましたが、大学の実態を正しく理解してもらうためにあるべき情報開示について、学内で議論が紛糾。標準的な様式で記載される決算書だけでは無機質な内容になってしまい、ステークホルダーの興味関心をひくことが難しいという課題を重視したのです。

有識者と議論を重ねる中で、大学の事業成果を伝えるためには研究や教育といった知的資産の情報開示が必要だという結論になりました。そして、「学術に投資しても即時的なリターンは約束されないが、社会が良くなれば自分たちの幸せにつながるため、東京大学を応援したい」とステークホルダーに受け止めてもらうためのブランディングを検討。その結果、「大学の使命は学術による社会貢献」というコンセプトをかかげ、学問の成果は数十年かけて現れることもあるものの、確実に社会をいい方向に導くという強いメッセージを発することになりました。

このように、統合報告書は企業価値を理解しブランド力を向上するための、強力なコミュニケーションツールとなり得るのです。

3.企業(ブランディング)出版

マーケティングやブランディングの一環として、その企業独自の書籍を出版することを「企業出版」と呼び、マーケティングの方法が多様化する近年、その注目度を大きく上げてきています。

出版には主に3つの種類があり、1つが出版社主導で行う「商業出版」、もう1つが著者主導で行う「個人出版」、そして今回の「企業出版」に分けられます。

商業出版の場合、基本的には出版社主導で行うため、著者自身が中身にこだわることができません。一方の個人出版では、著者自身が細部にまでこだわれる一方、書店に並べることを目的としていないため、出版社からのサポートも少なくなります。

そして企業出版は、ちょうどその中間に位置しており、目的はあくまでも企業のマーケティングやブランディングですので、中身に関しては著者=企業側がこだわれる一方、書店に並べることを前提としているため、内容やデザイン、レイアウトに関しての出版社側からのサポートも積極的に受けることができるという特徴を持っています。

活字離れが叫ばれている昨今ですが、今なお書籍が持つ特別感というのは失われてはおらず、むしろWEBメディアの普及に伴って、その価値は逆に向上していると言っても過言ではありません。

  • 企業出版を行うことによるマーケティングとしてのメリット
  • 1つ目のメリットは、企業理念や社長の想い・ビジョンをより多くの人に伝わりやすい内容へ磨き上げることができるということでしょう。すべての企業は、それぞれ独自のビジョンを掲げ、その達成に向けて事業を行っていくものですが、得てしてそのビジョンは抽象的で、具体性に欠けてしまっているケースも少なくありません。

というのも、ビジョンが出来上がる過程は複雑なものであり、創業者自身のこれまでの歴史や経験などが大きく影響していることも多く、たった数十文字の言葉では、すべてを語り、表現することはできません。企業出版では、そうした不透明な部分を書籍化することによって明文化し、会社の存在意義をよりわかりやすく伝えることが可能になるのです。

  • 2つ目のメリットは、信頼度の向上です。先ほども述べた通り、書籍というのはWEBメディアなどに比べても一目置かれる存在であり、その書籍によって自社の競合優位性などを発表することで、会社そのものの信用度を高めてくれます。そうなれば、書籍そのものが営業ツールとしての役割を果たすこともあるでしょう。名刺代わりとして活用していくこともできるかもしれません。
  • そして3つ目が、企業理念の浸透です。経営者の考えや理念が本という形で具体化することで、企業内のインナーコミュニケーションにも大きく寄与することができます。一人ひとりの社員が、自分の仕事の意義や目指していく方向性についてしっかりと理解できていれば、高いモチベーションを維持できると共に、愛社精神や帰属意識をより強めてくれるはずです。加えて、既存社員に対する効果はもちろんですが、採用活動において新たな社員を募集する際にも、効果的なブランディングとなるのです。

以上のことから、企業出版は有名企業や大手企業よりもむしろ、中小零細企業にこそ向いたマーケティング手法と言えます。認知度が高くないからこその弱みを、書籍によって広くカバーしていくことができるようになるのです。

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4.社長メッセージ

企業HPや採用活動等に使う会社案内など、企業のブランディングを目的とする資料の中の一コンテンツとして、必ずと言って良いほど掲載されるのが「社長メッセージ」です。いわばお約束としてのコンテンツでもあることから、この部分には特に注力していない、毎回同じような文章を少し変えるだけで対応している、という人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、社名が日本中に知れ渡っている大企業ならまだしも、これからさらなる認知度向上を目指す中小零細企業においては、この社長メッセージも重要なブランディングの場として活用していかなければなりません。

本来、企業の社長というものはどこか特別な存在であり、一般のユーザーはもちろん、クライアント企業の社員であっても、直接交流する機会はなかなか持てるものでありません。それなりに規模の大きな会社になってくると、自社の社員から「社長と話したことがない」「社長の顔を知らない」という声が上がってくることも。

こうした不透明性を取り除き、社長自身の人柄や想いを伝えるためのツールが、この社長メッセージの本質的な役割なのです。

中小零細企業の場合、企業=社長であることがほとんどであり、社長メッセージは会社の方向性や社会的意義を示すものと言っても過言ではありません。社長として何を考えているのか、今後の事業展開をどのように計画しているのか、こういった情報を社長メッセージとして提供していくことは、そのまま企業PRとしての役割を果たし、社外への認知度向上、採用時などにおける求心力向上、果ては社内の組織力向上など、さまざまな効果を期待することができるのです。

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5.人事・採用メッセージ

商品の売上だけでなく、優秀な人材獲得も企業にとっては重要な要素です。少子高齢化による採用難の時代、人材獲得は特に中小零細企業において大きな課題となっていますが、求職者に企業の魅力が伝わらない原因は「人事担当者の思いが伝わっていない」ことにあると考えられます。

採用市場というマーケットで、自社に適した求職者というターゲットにリーチし、自社ブランドの認知度と価値を高めていくためには、採用領域においてもブランディングが必要不可欠となるのです。

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人事インタビュー記事の効果

そこで有効になるのが、「人事インタビュー記事」です。求職者は給与や労働時間、休日数といった労働条件ももちろん注目していますが、それ以上に気にかけているのは「どのような理念を持った企業であるか」「自分がこの企業で活躍できるか」といった点です。今回採用に至った経緯や求める人物像、現在活躍している人物像、社内での評価制度などを人事が余すことなく語ることによって、企業の採用にかける思いが伝わるだけでなく、真摯な姿勢から企業のブランド自体が向上します。

このような人事インタビューを読んだ上で応募した求職者は、企業の理念や姿勢を十分に理解した上で入社を希望しているため、ミスマッチが少なく入社後の早期離職を防ぐことにもつながるでしょう。

インタビューの対象は人事担当者だけでなく、企業で働く社員にまで裾野を広げて問題ありません。どのような働き方をしているのか、企業から求められているスキルは何であるか、人間関係についてはどうか、といった点を現場の社員に語ってもらうことで、求職者は自分がその場で働いているイメージを持ちやすくなります。

有効な人事インタビュー記事に仕上げるためには、ターゲットの選定と採用競合企業の分析が重要になります。求職者に求めるスキルや人物像を決めなければ、誰にも深く刺さらないインタビューとなってしまい、何となく応募する人材が増加してしまう可能性があります。「まさしく自分にとって理想の企業だ」と思ってもらえるよう、採用ターゲットは明確にしておきましょう。

また、採用競合企業は通常のマーケットでの競合企業とは異なる可能性があります。優秀な人材は複数のオファーから入社先を1社に絞り込むため、そこで勝ち抜かなければ採用には至れません。企業規模や職種、業界、労働条件など様々な面から調査・分析し、採用ブランディングでも差別化を図ることで人材獲得の確率が高まることでしょう。

6.商品制作ストーリー記事

市場に「モノ」があふれている現代、人々は商品のスペックだけでなく開発に至るストーリーなどといった「コト」にも注目するようになっています。同レベルのスペックであれば、共感・信頼できるという感覚が購入の最終判断に大きく影響するのです。人々のこの感覚を強化し、自社商品に共感してもらうために役立つのが「商品制作ストーリー記事」です。

例えばノートパソコンの「VAIO」のホームページでは、開発担当者による充実したインタビューが掲載されています。堅牢性向上のために何を工夫したのか、開発において苦労した点は何か、こだわったポイントは、といった質問に詳しく開発者が応えていくことで、スペックだけでは測れない商品への思いが伝わる内容となっています。このような情報を想定顧客が閲覧することで、単なるノートパソコンを超えた存在であるように感じ、愛着を覚えるようになるのです。

花王の白髪ケア用品「リライズ」のホームページでは、開発に関わった人々のインタビュー動画を掲載することで、商品への思いをより深く理解されることを促進しています。動画は1本あたり1分45秒程度と気軽に閲覧できる長さとなっており、編集にもこだわることでまるでドキュメンタリー番組を見ているような気にさせられます。白髪ケアという悩みに寄り添う商品だからこそ、充実した開発ストーリーを提供することで、人々に安心感と信頼感を与えています。

デファクトコミュニケーションズの「営業ツール制作サービス」はこちら

まとめ

いかがでしたでしょうか。ブランド構築は外部の専門家にまかせるしかない、と思っている方も多かったかと思います。しかし、社内のことは社内の方が最もよく知っているはずです。上に書いた6つの領域を前提に、会社としてのブランドアイデンティティを考え、ブレない軸を作り、それを表現していけば、企業の魅力は「まだ見ぬ顧客」にきっと伝わります。もし専門コンサルタントに相談したいという場合は、お気軽にご連絡ください。

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