ゴールとペルソナが決まれば、集客用コンテンツの具体的な方針を検討できるようになります。そこでまず考えるべきなのが、企業として押し出すべき項目です。商品やサービスには様々なメリットや特徴があるはずですが、その全てを訴求してしまうと軸がぶれることになり、ペルソナのインサイトを刺激することができません。そのため、メリットや強みを分解して訴求内容を検討していきましょう。
目次
ペルソナに適した訴求内容を策定する
ブランディングツールにおける訴求内容はゴールに応じて適切に取捨選択していく必要があります。その上で、お客様であるペルソナのカスタマージャーニーの段階にとって適切な訴求内容を構築していきます。訴求内容は「ロジカル項目」と「エモーショナル項目」の2種類に分けて考えると、明瞭になりやすいです。
ロジカル項目は、他社商品・サービスと比べていかに便利かという「利便性」、いかに安く長く使えるかという「経済的メリット」、いかに安全かという「安全性」があげられます。客観的事実によって商品・サービスの強みを訴求することで、ターゲットからの納得感を得ます。広告の考えに近いもので、実績などを押し出すこともありです。
一方エモーショナル項目は、なぜこの商品・サービスを気にする必要があるかという「共感・面白さ」、なぜ親和性を感じるかという「親密さ」、なぜ購入すべきなのかという「権威付け」となります。個人的理由で購入への動機づけを行い、ターゲットの興味換気につなげます。クリエイティブの要素が強くなり、言葉選びも重要になってきます。
ロジカル項目は商品・サービスを比較検討している段階や、購入を迷っている段階の人に有効です。エモーショナル項目は商品・サービスを認知していない段階や、興味や目的を持たれていない段階の人に効果的です。しかしながら、人の心を動かすためにはカスタマージャーニーの段階によらず、ロジカル項目とエモーショナル項目を適切な配分で訴求しなければなりません。それぞれの項目ごとに強みやメリットを洗い出し、どのように組み合わせればペルソナの心に深く刺さるかという課題に関してしっかりと考えていきましょう。
商品制作のストーリー記事とは
市場に「モノ」があふれている現代、人々は商品のスペックだけでなく開発に至るストーリーなどといった「コト」にも注目するようになっています。同レベルのスペックであれば、共感・信頼できるという感覚が購入の最終判断に大きく影響するのです。人々のこの感覚を強化し、自社商品に共感してもらうために役立つのが「商品制作ストーリー記事」です。
例えばノートパソコンの「VAIO」のホームページでは、開発担当者による充実したインタビューが掲載されています。堅牢性向上のために何を工夫したのか、開発において苦労した点は何か、こだわったポイントは、といった質問に詳しく開発者が応えていくことで、スペックだけでは測れない商品への思いが伝わる内容となっています。このような情報を想定顧客が閲覧することで、単なるノートパソコンを超えた存在であるように感じ、こうしたツールに対して愛着を覚えるようになるのです。
花王の白髪ケア用品「リライズ」のホームページでは、開発に中心的に関わった人々のインタビュー動画を掲載することで、商品への思いをより深く理解されることを促進しています。動画は1本あたり1分45秒程度と気軽に閲覧できる長さとなっており、編集にもこだわることでまるでドキュメンタリー番組を見ているような気にさせられます。白髪ケアという悩みに寄り添う商品だからこそ、充実した開発ストーリーを提供することで、人々に安心感と信頼感を与えています。
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