営業活動を支援するツールを、「営業ツール」と呼びます。
営業ツールというと、商談の場面で営業マンが活用する、紙の資料を思いうかべる方が多いと思いますが、それだけではありません。
今回は、営業ツールの種類と作成・使用する上でのポイントについて解説します。
1.営業ツールには2通りある
営業活動を支援するツールには、商談の場で営業トークを補助する武器のようなものと、営業活動全体の効率化に貢献するものとに区分されます。
営業が顧客に商材を売り込もうとする際、商品やサービスのセールスポイントをいかに相手に伝えるかが重要になります。有能な営業マンは、独自のセールストークを駆使して商談をまとめます。ただ、こちらが一方的に商材の説明や、アピールポイントをまくし立てても、相手に伝わらなければ意味がありません。きちんとしたデータに基づき、戦略的に作成された営業ツールは、自社の商品・サービスの訴求力を最大限に高めます。
営業マンといえども、一日中、顧客との商談だけに時間を使っている訳ではありません。
Salesforce Research は2018年12月に、世界の営業パーソン2900名以上にアンケート調査※1を実施しました。それによると、純粋な営業活動に費やせる時間は、勤務時間の34%に過ぎません。残りの66%は、リード(見込み客)の調査や育成、見積り書や提案書の作成などの事務作業、顧客・営業データの入力・管理業務、社内会議・研修などに割かれています。営業マンが本来の仕事である営業活動に専念するためには、業務を効率化するツールが必要になるのです。
※1 Salesforce Research
「全世界2900人以上を対象としたセールスの動向に関する調査結果」
2.商談の場で使用する営業ツール
営業マンが商談に臨む時、「三種の神器」ではありませんが、備えておきたい3つの営業ツールがあります。それは、「会社案内」、「アプローチブック」、「サンキューレター」です。
2-1.会社案内
新規顧客の開拓であれば、相手は初対面ということになります。相手も事前にこちらの情報を集め、準備はしているでしょうが、多少の警戒感は抱いているかもしれません。相手の警戒感を解き、こちらの話を素直に聞いてもらうためには、こちらがどのような会社であるか、分かりやすく説明する必要があります。
ここで間違わないで頂きたいのは、作成するのは「会社案内」であって、「会社概要」ではありません。企業の資本金や売上高、基本的なサービスなどは、インターネット検索で簡単に調べることができます。先方もわざわざ来訪した営業マンに、そんなことを説明してほしいとは思っていません。では、会社案内には、どのような内容を盛り込めばよいのでしょうか。それは下記の通りです。
◯会社は創業者のどのような思いで作られたのか。
◯会社はこれまでに、どのような苦難に直面し、どう乗り越えてきたか。
◯現社長は、企業活動を通して社会にどのように関わっていきたいのか。
これらを簡潔にまとめた、「会社のストーリー」を作るのです。会社を一人の人間に例えて、その人格や履歴、今後のビジョンを示し、相手の共感を得るのです。
2-2.アプローチブック
アプローチブックとは、自社の商品・サービスの概要を、テキストだけでなく、図や表などを多用してビジュアル化し、ファイリングした資料です。パワーポイントで作成し、出力して製本してもいいですし、最近ではデータ化したものを、パソコンやタブレットで見せるプレゼン形式もあります。構成内容は、下記の通りです。
◯会社案内
◯営業マンのプロフィール
◯商品・サービスの説明
◯商品・サービスを購入・導入した場合のメリット
◯商品・サービスを導入するまでの流れ
◯費用の概算
作成する上でのポイントは、社内会議でトップセールスの手法や営業メンバー全員の知見を整理し、商談の流れやトークの内容を最適化してまとめることです。ドラマのシナリオのように、アイスブレイクからヒアリング、クロージングまでの一連の行程を順序立てて作成しておくとよいでしょう。
2-3.サンキューレター
サンキューレターとは、「お礼状」のことです。忙しい中、自分のために時間を割いてくれた相手に対し、感謝の意を伝える文章です。大抵の営業マンは、このサンキューレターだけは、手書きでしたためているようです。手書きの文字には、書き手の人となりが現れるもので、受け取った側の記憶に留まるからです。
3.営業を効率化する営業ツール
より効率的な営業活動を実現するために、活用したい営業ツールがいくつかあります。
営業マンの仕事は、リードの獲得に始まり、営業活動を経てクロージング、納品、売上金の回収までと多岐に渡ります。その中で重要な位置を占めるのが、見込み客の獲得と育成、そして顧客情報の管理です。前者の業務をサポートするツールがMA、後者の業務を支援するツールがSFAです。
3-1.MA(マーケティングオートメーション)
マーケティングオートメーションとは、獲得したリードの情報を一元管理し、見込み客を選別した上で育成し、購買意欲の高い顧客へ育てるマーケティングプロセスを自動化するシステムです。
企業サイトのランディングページやWEB広告、ホワイトペーパーなどから、新規の見込み客の情報を自動で収集します。次に獲得したリードを育成し、商談にまで繋げるリードナーチャリングまでを行います。
3-2.SFA(営業支援システム)
今まで、営業マンが個別に持っていた顧客情報や、販売管理システムで管理していた営業の進捗状況を一元的に網羅し、営業チーム全体で共有するための支援ツールがSFA(Sales Management System)です。
SFAの機能としては、顧客管理機能、営業案件ごとの進捗を把握する機能、英豪マンの行動を数値化する機能、データを元に売上予測を立てる機能、営業勝報告(営業日報)をサポートするレポート機能などが挙げられます。
まとめ:優れた営業ツールで商材の魅力を最大限に引き出す
優秀な営業マンであれば、独自のノウハウを盛り込んで、営業ツールを持っているものです。自社のプロフィールとなる会社案内、自社商品やサービスの特徴や導入メリットを簡潔に伝えるためのアプローチブック、そして商談の機会を頂いたことに感謝の意を表するサンキューメール。
効果的な営業ツールを作成するには、明確な戦略設計をもとにすることが重要です。弊社では、プロの編集者とライターが、伝えたい商品やサービスの本質や魅力を取材や調査により明らかにし、営業ツールに反映させます。このツールにより、あなたが売り込みたい商材の訴求力を最大化できるでしょう。