言わずもがな、現代は上過密な情報社会です。ある説によると、石器時代と比べると現代社会にくらす人々の「情報処理」の量は数万倍にも及ぶのだそうです。また同時に、現代のNEWSweek一週間分は、17世紀のイギリス人が一年間で収集する情報量に相当するとのこと。

当然ながら投資家が見るべきマーケットも、その「情報」で動いているのです。僕が記者になりたての頃にびっくりしたのは、とうもろこしや大豆の相場です。この両相場が動く理由は主に、アメリカの作付け状況なのですが、その畑に雨が降ったというニュースだけで、これらの価格は乱高下するのです。翌日に雨が晴れたと言えば、もちろん反対の動きをします。

何が言いたいかというと、実際に雨が降ったかどうか、実際に雨が降ったところを見たかどうかなんていうのは、投資家にとって関係ないということです。「雨が降った」という【情報】それ自体がとても重要なのです。

投資家にとって重要なのは、「どのように情報を収集するか」、そして、その情報が真実であろうとなかろうと「どのような影響を相場に与えるのか」ということが、判断できるかどうかなのです。

情報収集と選別のコツ

さて、ではこれから、自活する投資家になるための「情報収集」と、「選別のコツ」を書いていきます。まずは、情報収集です。これは現代社会においては非常に興味深いテーマです。マーケットだけではなく、ビジネス、プライベートのシーンでも、多くの人が悩み、工夫し続けているのではないでしょうか。

投資においては、専用の情報端末というのがあります。例えばトムソン・ロイターとか、ブルーム・バーグなど。通信社として多く知られているこれらの企業ですが、ほとんどの機関投資家ないしは商社や専門業者は、これら情報ベンダーの「専用端末」を持っています。ブルーム・バーグなどは専用パソコンがあります。トムソン・ロイターなどでは現在、一般的なブラウザから見られるようになりましたが、そこで見られる情報量は圧倒的です。まぁ、プロ向けだから当然ですね。そして、こういった端末は多くの場合、個人投資家は持っていません。月10万円以上するのでなかなか手は出せないです。

情報がマーケットという線上における「武器」と仮定すると、機関投資家は大砲やマシンガンを、個人投資家は小銃や刀を持っているようなものです。圧倒的に不利だということは間違いありません。ですから勝てる投資家は、情報収集で工夫して、どうにか勝てるようにしていくのです。

情報の種類

多くの投資家が、投資情報収集の基礎としてインターネットを使用しているのは今ではまごうことなき事実です。事実、私が取材し、親交を持ってきた投資家の多くが日経新聞すら購読していなかったりしました。その代り、比較的高齢な方でも、パソコンのスキルが非常に高かった印象があります。

ある投資家の方がおっしゃられていた情報の基礎があります。それが、情報の種類を見極める、ということです。情報には、一時情報、二次情報、三次情報があり、それぞれを伝える最適な媒体が存在します。一時情報とは自分が実際に見て経験した情報です。これはネットではなく、リアルということですね。二次情報とは、自分が別の誰かから聞いた話です。ある意味、ネットはここに含まれます。ツイッターやその他のSNSからの情報、またその他の記銘記事であっても二次情報です。三時情報は、情報元が誰か分からないものです。

スピード感のある情報処理を求められる個人投資家は、このような情報の性質を知り、知ったうえでスクリーニングし、活用すべきです。

分からないことは分からない

金を動かすことで差益が出るというのは当然なのですが、負ける投資家は、「分からない」という状況に耐えられない、という性質を持っている気がします。勝ち続ける投資家というのは、基本的にポジションを持たなくても落ち着いています。明確な情報が出てきた時のみ、動くのです。おそらくこれは、「分からない」「相場が読めない」ということに対する免疫があるのだと思います。

勝ち続ける投資家は、答えのない相場の時は、その兆候らしきものが出るまで待つのです。無駄にポジションは取らない。その姿勢を、自分の気分などでは絶対にくじしたりしません。これはビジネスシーンでも同様ですよね。タイミングが合うときに必ず仕留める。だがそれまでは、心も体も動じず、ゆっくりと状況を判断する時間に使うのです。

情報を見て、悩む必要はない

勝てる投資家はあまり悩まないという印象を受けます。そして、新聞社時代によく電話がかかってきていたのですが、失礼ながら負けている投資家の人は、一つの情報に固執し、悩んでしまう。悩むというのは、「考えても仕方のないことを考えてしまう」ということです。そして、「考える」というのは「考えれば何かしら具体的なアイデアが思いつく」ということにします。

投資においては、まず情報収集が一番。情報が少ない状況の中で悩んでいると、マーケットは先に進んでしまいます。スピード感を持って情報の収集選別を行っていきましょう。

投資でも悩む必要はない

投資において「労力」というのはいくつもありますが、最も大きな労力は「儲かるかなぁ、儲からないかなぁ」と考えあぐね、夜も眠れない、自分の仕事もままならない、ストレスで前向きになれず、人間関係を悪くするなどです。

以前、FXで、一度の取引で4、5回追証を入れた時がありましたが、その時は3週間ぐらい、ずっと睡眠できませんでした。何十万円という金額(ぼくにとっては大きなお金です)

リスクを受け入れる

「特定の知識」を得ることは代償を伴います。たとえば「広い視野を持とう」なんていうことをよく言われるが、広い視野を持とうと思ってもてたらそんなに簡単なことはないでしょう。

グローバルな視野を得るためには、自分とは離れた視点を持つ人とコミュニケーションをとり続けることが第一条件となりますし、早い話、海外に住んだり、外国に友人を持ったりすることが有効な手段になります。これは、はっきり言って体力と金をとても使います。インフォハックも同様。いろんなソースからいろんなものを見て、時には失敗をしてその中出力を高めていく、その気概が必要です。

情報にはバイアスがかかっている

情報というののは形がなく、本来とても曖昧なものです。ですが、一時情報以外は、間違いなく作り手がいて、それが消費者の手に渡るまで、色々な人を介します。ですから、様々に加工され、脚色され、かつ「ちょっと人の心に響かせるように」というバイアスがかけられているケースが多いことを覚えておきましょう。

このバイアスはマーケットニュースでも多くあります。アナリストはジョブセキュリティーのために、自分が担当する銘柄の上昇を書き、実際に株価が上昇すると楽しいと言います。そういったバイアスがあるということを頭の片隅に入れておきましょう。

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