景気ってなに? ~「景気」は海を超える~

本記事では、実際に経済の知識を勉強していきましょう。まずはよく聞く「景気」のことです。そもそも、「景気」という言葉は何を指すのでしょうか。景気とは、「気」というだけあって、世間の人の経済に対する「気分」のようなものなのです。「今は経済が調子いいなぁ」「今は経済が何となく悪い感じ」など、そういった、経済の「心理的な状態」を指す言葉なんですね。

調子のいい時は、いろんなことが上手くいきます。そして、経済の調子のいい国は魅力的に映るものです。通貨はその国の「強さ」を表すバロメーターですから、国の気分が良ければ、その国の通貨は買われやすくなり、「通貨高」になるというわけです。

景気の良し悪しを判断するための経済指標の読み方に関しては後で説明しますが、ここで知っておくべきは、「景気は海をわたる」ということです。現代は「グローバル経済」であり、他国と取引しないで経済成長を伸ばせる国はありません。ですので、一つの国の景気の良し悪しが、海を超えて他国に影響することを頭に入れておきましょう。

物価が上がると、その国の通貨の価値は低くなる

次は物価についてです。政府は物価を、高すぎず安すぎない「バランスのいい状態」に維持するように心掛けます。ですが実際には、様々な要因により、物価はバランスの悪い状態になってしまうことがよくあります。2008年後半にも、原油価格の上昇を受けて、ポッキーの値段も高くなりましたよね。あの動きが、「インフレ率が上昇する」ということです。

ここで、物価と為替の関係を考えてみましょう。物価が上昇するということは、「100円で買えたあんパンが、200円出さないと買えなくなる」ということです。つまり、ひとつの製品に対して支払うお金が増えるということなので、「お金の価値が下がる」ということになります。

これは、為替相場に大きな影響を与えます。

市場には、「購買力平価」という考え方があります。例えば、一個100円のあんパンが、アメリカで1ドルだったとしますね。つまり「100円=1ドル」ということになります。しかし、日本の物価が上昇して、あんパンが1個200円になったとします。するとその途端に、「200円=1ドル」になってしまうので、一気にドル高が進んだと考えることもできてしまうのです。こんな不安定な通貨、誰も欲しくありませんよね。だから、物価が高まるリスクは、為替相場では売り材料として捉えられます。

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