GDP(Gross Domestic Product)=国内総生産

GDPとは日本で行われた生産活動で得た付加価値の総額で、その中には外国人が日本での生産活動で得た付加価値も含まれます。しかし、日本人が海外活動で得た付加価値は含まれません。

付加価値とは生産の過程で新たに付け加えられた価値のことで、売上高から使用者費用(原料、減価償却費)を引いて計算します。つまり、付加価値は要素費用(人件費や利子)に利益を加えたものです。GDPは四半期ごとに発表されます。1-3月期の数字が6月の上旬に発表されるように、2ヶ月半遅れの発表ですので、速報性には欠けていることを理解しておきましょう。

しかし、景気の良し悪しを判断するとき、そのもっとも基本的な判断材料となるのが経済成長率です。その経済成長率を表わしているのがGDPですから、GDPはもっとも重要な経済指標の一つであると言えます。もちろん為替相場に対する影響も大きなものです。GDPには名目GDPと実質GDPとがあります。

名目GDPは時価評価でのGDPで、物価上昇によって水増しされたものを差し引いて修正されたものが実質GDPです。GDPの数字と同時に発表される、デフレ-タ-が名目値を実質値に修正する際に使う物価指数です。ちなみに、日本のGDPは米国についで世界第2位です。

デフレ-タ-

GDPや経済成長率などの名目値(物価上昇率を加えた数値)を実質値(物価上昇率を差し引いた数値)に修正する際に使う物価指数。内閣府経済社会総合研究所にさらに詳しい情報があります。

鉱工業生産指数

経済産業省の発表する経済指標の中でもっとも注目度の高い指標といってよいでしょう。速報性に優れ、景気の動向をいち早く敏感に察知するので、景気観測には不可欠です。この統計で、鉱工業の生産・出荷・在庫の状況を知ることができます。鉱工業生産と鉱工業出荷は、景気動向指数の一致系列に入っています。鉱工業生産指数の速報値は2月分であれば、3月下旬と、翌月の下旬に発表されます。

さらに翌々月の中旬には、速報に続いて確報が出されます。この確報には、稼働率指数や生産能力指数も添付されています。稼働率の動きを見れば、需給が逼迫してきているのか、そろそろ企業が設備投資に動きだすのか予想できます。また、先行系列に属す在庫率は、先行きの景気を見るうえで注目される数字です。在庫率が110を割り込んでくれば、在庫調整は最終段階を迎えていると見られ、需要の回復期が近いと判断されています。経済産業省ウェブサイトにさらに詳しい解説があります。

景気動向指数

景気動向をもっとも的確に表わす指標の1つとして注目されています。月次調査され、その数字は2ヶ月後の月末に発表されます。景気と深い係わりを持っている29の景気指標を選び出し、その中から景気に先行する「先行指標」、景気と一致して動く「一致指標」、景気に遅れて動く「遅行指標」に分類します。指標の数字はDI(Diffusion Index)で表されます。それぞれの指数が水準点を上回っていればプラス1、下回っていればマイナス1、同じときはプラス0.5として、プラスの占める割合を計算します。

例えば、先行指標12本のうち、プラスとなった指標が半数以上あれば、先行指数は50%を上回ることとなり、景気の先行きは明るいと判断されます。総合指数(先行、一致、遅行を合わせたもの)が50%を上回っている期間を好況期、下回っている期間を不況期と判断します。また、一致指数が3ヶ月連続して50%を越えれば、景気が上昇局面に入ったと判断し、3ヶ月連続して30%を割り込めば、景気が下降局面に入ったと判断しています。

機械受注統計

設備投資動向を知る重要な先行指標の1つです。この調査は、機械メ-カ-などの受注した設備用の機械類について、毎月の受注実績を調べたもので、月次調査で、翌々月の中旬に発表されます。2月、5月、8月、11月には毎月の定例の調査と同時に、1-3月、4-6月、7-9月、10-12月の「見通し」が発表され、いつもより注目を浴びます。機械受注の先行き見通しから、設備投資の将来が議論できるからです。機械受注統計の先行性は、6ヶ月位といわれています。

もし、受注の伸びが高まれば、半年後以降に設備投資の盛り上がりとなって表れます。この統計の特徴の1つとして、3月、9月には決算月の影響で、不況期には受注が増えます。駆け込み受注で、決算の数字をあげようとするからです。しかし、景気が回復してくるとそうした凸凹は弱まります。

雇用統計

雇用統計の中で馴染みが深いのは、失業率と有効求人倍数です。しかし、それ以外にも労働時間指数、実質賃金指数など景気、インフレなどに影響を及ぼす指数も発表されています。統計は月次で、翌月末に発表されます。失業者はそれぞれの国によって定義が異なるため、表面的な数字だけで、諸外国と失業率を比較するのはいささか問題があります。

しかし、国内だけで失業率の推移を見ると、1990年代前半まで2%台という低水準で推移していたものが、2000年代にはいると5%台まで増加しています。これは景気低迷が長期化したために、企業倒産が急増した、企業が人員整理を柱とするリストラを積極的に進めたのが原因であるのは明らかで、景気と雇用の関係の密接度は深いものである。また、近年では失業率が短期間では大きな数字の変化を見せないことから、むしろ有効求人倍数の注目が高まっています。

米国の雇用統計は、失業率と非農業部門雇用者数を中心として、製造業就業者数・小売業就業者数など10数項目が発表されます。その中でも非農業部門の雇用者数がもっとも注目を集め、この数字次第で為替相場は大きく変動します。米国雇用統計は、米国労働省が月初めの金曜日、ニューヨーク現地時間午前8時30分に発表します。日本時間では22時30分、米国サマータイム時は21時30分です。

消費者物価指数(CPI)

インフレ動向を知るうえでの重要な指標です。月次調査され、翌月の下旬に閣議で報告された後に発表されます。家計の消費収出の中から重要な品目(指数品目)を選び出し、ある基準の年にそれらの品目を購入したときの収出金額を100とし、同じ品目を購入した場合の収出金額を100と比べて数字で表わします。

指数の増え方が、前月に比べて大きくなっていればインフレが進んでいると判断されます。米国の消費者物価指数では、価格変動の大きいエネルギ-(ガソリン、灯油など)を除いた指数が重要視される。

総務省統計局 消費者物価指数のしくみと見方にさらに詳しい情報があります。

卸売物価指数(WPI)

卸売物価指数は企業間で取引されている財の価格の変動を捉えたものです。3つに分かれており、国内市場向けの国内品の卸売価格の変動を示す「国内卸売物価指数」、輸出品、輸入品の物価変動を示す、「輸出物価指数」「輸入物価指数」があります。これを総合したものが、「総合卸売物価指数」です。消費者物価指数におよそ半年の先行性があります。

卸売物価は国際商品市況、為替相場にも直接影響を受け、消費者物価より変動が激しいところに特色があります。

国際収支

経常収支とは、「貿易・サ-ビス収支」、「所得収支」、「経常移転収支」を合計したものです。その中身は、8割が「貿易・サ-ビス収支」で占められており、輸出と輸入の動向とサービス(輸送、旅行など)の動向を詳しく知ることができます。

「所得収支」とは、海外へ投資から生じた受け取配当などです。例えば、日本の会社が海外に会社を作り、その利益を国内で受け取ったケ-スなどです。

「経常移転収支」は政府の無償資金援助などです。

資本収支とは、対外債権・債務のことです。例えば、日本の生保が米国債や米株に投資すれば、日本の赤字になり資本収支はマイナスとなり、米国のファンドが日本の会社を買収すれば、日本の黒字になり資本収支はプラスとなります。資本収支が黒字(赤字)の場合は、資本の流入(流出)を意味します。また、日本政府が為替市場でドル買い介入をした場合には(資本の流出)となり、資本収支のマイナス要因となります。

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