企業活動には多くのコミュニケーションツールの存在が伴います。それぞれのツールを「ブランディング」「マーケティング」「セールス&プロモーション」「リクルーティング」の4つの観点から整理しました。

①ブランディングツール

IR/CSR

特に大企業では、企業の方針や社会的意義を投資家やエンドユーザーに理解してもらうためにまず必要なことは、基本指針となるIRを戦略的かつ効果的に制作することです。

IR/CSRは、投資家やその他企業を取り巻く人々に対するブランディング、アピール手法として有効なものです。また、当たり前の情報で作り上げるのではなく、戦略的に必要なコンテンツを設計することで効果は最大化します。

マーケティングというよりは、ブランディングの観点で、中長期的な目線でのコンテンツ設計が必要になります。重要なポイントは、「競合他社がやっておらず、自社企業の要素を最適なペルソナに伝える」ということです。

統合報告書

企業の独自の強みである知的資産(定性的データ)と財務データ(定量的データ)の両方の観点から、自社の独自の強みや経営ビジョン、今後の事業展開とその見通しについてまとめた「統合報告書」。企業のブランディングにおいてはとても重要なものです。

IIRC(国際統合報告協議会)が、組織がどのように短、中、長期的に価値を創造するかを説明するために公表したものが「国際統合報告フレームワーク」です。企業の価値を定量面からだけではなく、定性面からも戦略的に伝えていくことが求められており、中心となる統合報告書を的確に作ることで、企業として、投資家に強く訴求することができます。

大手企業はすでに着手しているところが多いですが、中堅・中小企業の統合報告書の制作は未着手の状況が多いです。まずは定義に基づいて的確で効果の出る統合報告書を制作することで、他社との差別化ができ、投資家やユーザーへの理解が高まります。

社長メッセージ

会社の顔はやっぱり社長。そんな社長の想いをマーケットに伝えられるのが「社長メッセージ」です。しかし、社長の想いを押し出しすぎていたり、畏まりすぎていたりなど、ちょうどいいメッセージは多くありません。企業にとって、本当に伝えたいことを言語化できるかがミソです。

社長メッセージは、企業ブランディングと切っても切り離せないものです。会社の代表はその組織の顔。代表がどんな理念を掲げ、どんなビジネス戦略で市場に価値を提供しているのかを伝えることは、あらゆる情報よりも高いバリューを持ちます。

社長メッセージ制作のコツは、どういった方針でコンテンツを設計するかという部分を明確化し、適切なヒアリングシートを持って、その情報構成を具現化することです。当然、インタビュアーとして、経験豊富な人材と編集者の存在は欠かせません。

カスタム出版(企業出版)

カスタム出版は、コーポレートブランディングの最高峰といっても過言ではありません。 カスタム出版 は、企業ブランディングの最高峰です。「書籍」という他の媒体とは一線を画すメディアを利用することで、圧倒的な読みやすさ、信頼性、そして情報の保持を行うことができます。

出版社によっては膨大な費用が掛かってしまう企業出版ですが、企業の特性や出版の目的に応じて最適な出版社を見極めることが第一のコツとなります。また、企業出版として社長みずから執筆されない場合は、優良なゴーストライターの存在も非常に重要になります。

②マーケティング

SEOコンテンツ

自社や対象商材・サービスなどをGoogleなど検索エンジンの上位に示現させるためには、SEO対策が必要です。ただ、大量にコンテンツを投下するだけでは対策できているとは言えず、戦略的なキーワード抽出、コンテンツ設計、そしてそれを最適に実現するコンテンツ制作者による支援が必要です。

SEOは、中堅企業の企業であれば現在もっとも行うべきデジタルマーケティングの取組みの一つです。企業ブランディングが成熟していないときに、インターネットの波から自社をどうやって見つけてもらうか、そしてそれは広告的ではなく、アセットとなるコンテンツてきであればあるほど、長期的な利用ができ、発見者に好印象を与えます。

SEOコンテンツは、ある程度の量が必要です。簡単な記事を10、20というレベルよりも、キーワードを網羅した記事を100、200という量で作成していき、それを最適な場所に配置することが求められます。そして、さらにそのSEOコンテンツが機能しているかを効果測定で明らかにし、アップデートする必要があります。

コンテンツマーケティング

広告的な制作物に頼らない企業のコンテンツマーケティングは、長期的な企業のアセットになります。また、オウンドメディア化されたコンテンツ群を要素分解することで、各種コラムやSNS向けの投稿テキストに転換することも可能です。

コンテンツマーケティングを運用するメリットは、瞬間的に流れ去ってしまうインターネット情報の波の中で、企業のアセットとしてのコンテンツを設計的に作り上げることで、中長期的な運用が可能となり、結果、企業ブランディングが強化されるという部分です。運用には時間と労力がかかりますが、未だに有効なマーケティング手段といえます。

SEOコンテンツとアセット型コンテンツを併用させ、自社のオウンドメディア、もしくはコーポレートサイト内で的確に運用することが、コンテンツマーケティングを成功させるコツといえます。ただ何となく記事を書くのではなく、戦略的にコンテンツを設計し、それをプロの力で具現化させることが求められます。

ホワイトペーパー

認知度・信頼度を自然な形で高めるために、企業のハウスオピニオンを中立的な形で伝えることのできる「白書(ホワイトペーパー)」は大変有効なマーケティング手段です。

白書(ホワイトペーパー)は、企業のハウスオピニオンをユーザーに提供するという意味で、一種独特の媒体です。企業がその業界に対して、専門性があり、コンサルテーションができるということも伝えることが出来ます。

白書という形態をとる場合、ある程度硬質かつ調査・ファクトに基づいた分析結果を記載する必要があります。経験者による調査と調査結果を基にした分析・考察、ロジック・ファクトチェックなどの作業が重要なポイントとなります。

メルマガ

企業や該当商材・サービス群のマーケティング、顧客満足度向上のためのメルマガの企画・制作を代行します。

メルマガは、読者や、興味関心を持ってくれた方々に直接情報を提供できるコミュニケーション手法です。自分という専門家・事業者と、エンドユーザーを1対1でつなぐという意味では唯一無二のメディアといえるでしょう。

メルマガ制作のコツは、その書き方です。多くの読者は仕事を含めた多くのメールをスマートフォンで確認する傾向にあります。そういったデバイスに依存したトーン&マナーに依存した書き方で、コンテンツを作り上げていくことが必要になります。

③セールスプロモーション

企業ブランディング

SNS運用( Facebook、Twitter など)

コンテンツマーケティングやオウンドメディア運用時においても、PV(ページビュー)最大化を前提とすると、ソーシャルメディアへの一次的な投稿はもはや必須といっていいでしょう。時事的で散発的な内容ではなく、全体戦略に則ったSNS投稿用コンテンツの制作・運用は効果的です。

ソーシャルネットワークサービス(SNS)は、今や個人だけのツールではなく、企業やBtoBビジネスにおいても重要な役割を果たすコミュニケーションツールとなりました。企業のコーポレートサイトやオウンドメディア、その他SEO施策などと相関的に作られたSNS用の投稿・メッセージを作ることで、リード獲得に大きく寄与します。

SNSは、それ単体だけではコミュニケーションツールとしての効力を発揮しないケースがほとんどです。リード獲得のための投稿をフックとして、気になったことを解消する段階的なコンテンツ群を、別の媒体に用意するなど、戦略的な設計を行うことで効果を最大化させることができます。

各種営業ツール

各種営業ツールは、伝えるもの、伝える相手、伝える手法によってその姿を大きく変えるものです。そして、それ自体が、売上や利益率を大いに左右します。テキストコンテンツのみでなく、図表や写真、デザインから編集・校正までを含んだ「売れる営業ツール」の制作が重要です。

営業ツールを持っていない企業は少ないと思います。しかし、戦略的に営業ツールを作っている企業がどれだけあるでしょうか。明確な情報設計をもって営業ツールを制作することで、商品・サービスの訴求力を最大限に高めることができます。

効果的な営業ツールを作るコツは、的確な戦略設計と、時間をかけた生の情報を収集・活かすことです。プロの編集者・ライターにより、伝えたい商材・サービスが持つコアコンピタンスを取材や調査によって明らかにし、それを具現化することが必要になります。

セミナー資料

セミナーは、すでに認知された商品やサービスを顧客と対面でコミュニケーションできる機会です。セミナー資料の出来、不出来によって、顧客の興味を引けるかどうかが変わってきます。最適かつ魅力的に作られたセミナー資料は、売上の向上に寄与します。

セミナー資料作成のコツは「分かりやすさ」です。通常の情報量を編集によって短縮し、セミナーのお客様にむけて直接的なメッセージと説明を作り出すことが重要になります。パワーポイントやその他のツールの利用方法を知り尽くした製作者によって資料の完成度を高めます。

各種インタビュー記事

企業や人、サービス・商品の魅力などを伝えるためには、「生の情報」が最も有効です。そのためには、関連する対象者への取材を通じたコンテンツ制作がフィットします。

取材したうえで制作される記事コンテンツは、写真やカッコ書きで記されるその人の「言葉」によって、通常の記事コンテンツとは熱量という意味でも一線を画すものになります。セールス&プロモーション用やその他のウェブサイト用コンテンツなどにおいても、取材コンテンツを活用する企業は非常に多くなっています。

取材コンテンツ制作のコツは、その記事の内容の最終的な落としどころ、誰に何を伝えたいのかという部分を取材以前の設計段階から理解し、それをもとにしてプロフェッショナルの取材ライターと編集者に制作を実施させることです。取材対象者が存在しますので、かなり高度な編集力が求められます。 経験豊富な取材系ライター・編集者・校正者をアサインし、企業の「熱」を伝えます。

④リクルーティング

職種紹介記事

人事・リクルーティング業務において、企業と求職者のニーズを合致させ、離職率を低減させるためには、事前の正確な情報提供が必要です。どのような職種なのか、そのキャリアプランなどをヒアリングし、正確かつ魅力的なコンテンツを構築することが大切です。

リクルーティングの応募コンテンツの場合、応募者に対して職種や業務内容を正確につたえることが重要です。そうすることで、入社後のお互いの認識の齟齬からくる離職などの事態をおさえることが出来ます。また、魅力的に職種紹介記事を作り上げることで、応募者の数を増やします。

職種・業種の紹介は、業務内容をただ淡々と情報を記載するよりも、定性的な情報を含めて記載していくことがコツとなります。実際に働いている従業員へのインタビューやヒアリングを経て、コンテンツ制作において使える情報を収集・構成していくことが大切です。

スタッフ紹介記事

求職者にとって、「どんな仕事なのか」「どんなキャリアを積めるのか」と同じぐらい重要な関心事は、「どんな人たちと働けるのか」ということです。募集する職種・業種における代表的で魅力的な人材のピックアップから、写真撮影・ヒアリング・コンテンツ構築までを行うことが大切です。

スタッフ紹介記事は、職種・業務内容に納得がいき、応募の気持ちが高まっている応募者に、「最後の一押し」を作り出すコンテンツです。実際に働いている人が、どんな組織体制で、どんな雰囲気で働いているのかという部分を明らかにすることで、応募者の数を増やすことに寄与します。

スタッフ紹介記事の成功のコツは、職種紹介記事と同様、実際に業務を行っている従業員へのインタビュー、ヒアリングを経て、コンテンツを魅力的にするための使える情報を集め、編集して記事を構成していくことです。中立的な目線での記事執筆が求められます。

人事インタビュー記事

求職者が応募前によく見ていることの一つに、人事インタビューがあります。企業の人事部代表者が、どのような想いで従業員を雇用し、キャリアセットを想定しているのか。これは企業としての魅力を判断する大きな基準です。

人材採用競争がし烈を極める現在、人事インタビューは大変有益なコンテンツです。また、これは採用後のミスマッチのリスクを低減する手段としても高い有用性を持っています。

スタッフ紹介記事の成功のコツは、職種紹介記事と同様、実際に業務を行っている従業員へのインタビュー、ヒアリングを経て、コンテンツを魅力的にするための使える情報を集め、編集して記事を構成していくことです。中立的な目線での記事執筆が求められます。

まとめ

いかがでしょうか。コミュニケーションツール、その中にあるコンテンツ群にもいろいろな種類があることがお判りいただけたのではないでしょうか。いろいろな作り方がありますので、ぜひ会社内で制作を検討してみてください。

コンテンツマーケティングを成功に導く3つのステップ