情報の基本 ~①スピード ②中立性~

相場は「情報」によって変動します。そもそも、情報にとって重要な要素は「中立性」と「スピード」です。スピードに関しては、インターネットにかなうメディアは今のところ出ていません。経済指標でも要人発言でもなんでも、出たとたんに通信社や新聞社のサイトから配信されます。

ただ、経済に関する様々なニュースやレポートの中で、いわゆるメディアを度外視した、一企業、一研究所の発表などが市場を動かすことがあります。たとえば、2008年のゴールドマン・サックスの「原油が200ドルまで上昇する」というレポートなどがそうでした。当時、世界的に景気が良かったのも手伝ってプロの投資家までこれを信じ、実際にNY原油は150ドルという常識的には考えられない価格まで上昇しました。しかし、これは典型的なバブル状態であり、あっという間に30ドル台まで下がってしまいました。私もこのレポートを読みましたが、実によくできていました。ファンダメンタルズをベースとした理論的で既知的で希望に満ちたレポートでした。

何が足りなかったか…。それは、「中立性」です。メディアが情報を出すという工程には、様々な人の目が入ります。そこで一方的な視点の記事は削除され、様々な視点の入った記事が作成されるわけです。基本的にはそう言ったものを見るべきです。

「地合い」と「マーケットインパクト」

経済の情報を仕入れたとき、どのようにその情報を捉えたらいいでしょうか?考えるべきことはこれです

「この情報(材料)は、市場に、大きいものとして捉えられるか?それとも、小さいものとして捉えられるか?」

ようは、その情報云々ではなく、情報が市場に与えるインパクトの大きさを考えるのです。聞きなれない言葉かもしれませんが、相場には「地合い」という言葉があります。地合いとは、「投資家の気持ち」を表しています。日常生活に例えると、気持ちが大きくなっているときは、どんな悪い情報でも寛容に受け止められ、いい情報をもらえば、天にも昇るような気持ちになりますよね。逆に、嫌なことがあって気持ちがなえていると、いい情報に対しても懐疑的になりますし、悪い情報なんか聞いた日にはもう最悪だって気持ちになります。この感覚は、相場にも当てはまります。どんな情報でも、それがたとえ重要な問題であっても「相場の気持ち」によっては、インパクトは一瞬のうちに消えてなくなってしまうこともあります。逆に、対して悪くない材料が下げ材料として大きく扱われることもあります。

一般的に「上昇トレンド」の時は、多くの投資家がその通貨を買っているということですよね。だから、市場参加者は、「上昇してほしい」と願っているんです。その願いが、希望的観測を生み、「都合のよい情報のみに目を向ける」という形になるとも言えます。

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