営業活動において、誰でも苦労するのがアポ取りですね。
これまでは、電話を直接かけてアポイントを取りつける「テレアポ」が主流でした。一度でも面識のある相手であれば、次回のアポを取るのは簡単かもしれません。
しかし、新規顧客開拓のための訪問を前提としたアポ電では、下手をすると取り次いでももらえません。「100件電話して、1件でもアポが取れれば御の字」とばかりに、電話帳を片手にやみくもに電話攻勢をかけていたのは昔の話。最近では、メールを駆使して効率よくアポを獲得する、スマートな手法が注目を集めています。
そこで今回は、営業メールを作成する上でのポイントについて、詳しく解説します。
1.まずは基本の「き」 営業メールとは?
改めて言うまでもないことですが、営業メールとは、営業活動のスタートであるアポを取るために、メールを送る手法です。新規の見込み客とファーストコンタクトを取る方法は、電話や飛び込み営業など、色々とあります。ただこれらの手法は、こちらの都合で相手に時間を割いてもらうことになるので、よっぽどタイミングが合わないと、アポを取るのは難しいでしょう。
これに対してメールは、一旦送ってしまえば、相手の都合のよい時間に読んでもらえるため、相手のストレスになりません。しかしこれは、メールのメリットである反面、デメリットでもあります。
メールは相手に届いても、読まれているかどうか、確認するすべがありません。メールをもらった相手も、顔が見えない人間からのメールは、よっぽど興味を引く内容でなければ無視するか、削除してしまえば済みます。簡単に送受信できる電子メールであればこそ、読む気がなければ何のためらいもなく廃棄してしまえるのです。
それだけに、読んでもらえる営業メールを作成するには、いくつかのポイントがあります。
以下で詳しく、ご説明しましょう。
2.営業メールを作成する際のポイント
2-1.件名で趣旨説明を
ビジネスツールとして、今や欠かすことのできないのがメールです。電話よりも利用頻度が高く、盛り込める情報も多いため、社内での情報共有や、社外への情報発信にも適しています。
一般社団法人 日本ビジネスメール協会が発表している「ビジネスメール実態調査2018」※1によると、ビジネスマンがコミュニケーションの手段として利用するのは、「メール」と回答した人の割合は全体の96.5%で、「電話」と回答した90.2%を上回りました。
また1日に受信するメールの数は、平均で34通という結果が出ています。受信メールが1日に34通もあれば、件名だけで迷惑メールと判別されてゴミ箱行き、というのは容易に想像できます。
メールは開封されなければ、意味はありません。従って、メールの件名を付けるには、工夫をこらす必要があります。一目見て、メールの趣旨がわかるように記載することが重要です。
<望ましいメールの件名例>
○○に関するご提案(株式会社○○/営業部 山田太郎)
新製品導入による御社のメリットについて(△△株式会社/システム営業部 鈴木花子)
※1一般社団法人 日本ビジネスメール協会
「ビジネスメール実態調査2018」
http://www.sc-p.jp/news/pdf/180605PR.pdf
2-2.メールの文章構成
メールの内容は、あらかじめ構成を決めておくとよいでしょう。ただし、一斉配信されているメールのような、一律な内容は避けてください。以下はあくまで文章の骨格のようなもので、宛名はもちろん、本文の内容も相手に合わせて変える必要があります。
◯相手の宛名
◯挨拶文
◯会社案内と自己紹介文
◯本文
・提案したい自社の商品やサービスの概要。
・上記を購入、導入することによる相手側のメリット。
◯メールの目的
・面談希望であれば、こちらの希望日を明記。
・セミナーへの勧誘であれば、セミナー概要を明記。
・製品に関する詳しい資料を送りたければ、自社サイトのURLを明記して、問い合わせフォームへ連絡先を入力してもらう旨、要請する。
◯結びの挨拶文
◯署名
3-3.文章は簡潔に
営業メールでは、自社の商品やサービスについて、つい詳細に記載してしまいがちです。しかし受け取った側は、知らない人間からの、長々としたメールに目を通している暇はありません。文章は伝えたい内容だけを、簡潔にまとめるように心がけてください。
前述した「ビジネスメール実態調査2018」では、「受け取ったメールに上手さを感じることがある」と答えた人は全体の77.8%であるという調査結果が出ています。そのうち、うまいと感じた内容の1位は、「文章が簡潔でわかりやすい」というもので、全体の65.5%におよびました。メールの文章は、伝わりやすく、理解しやすいなど、相手に対する配慮が重要であることがわかります。
4.営業メールの例文
では最後に、営業メールの文例をご紹介しましょう。
これは、新規顧客開拓のため、はじめてコンタクトを取る相手に対し、面談のアポイントを取ることを目的とした内容になっています。
件名「営業の戦力不足にお悩みなら、お役に立てます(セールスサービス株式会社/笹山)」
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株式会社◯◯◯◯
営業部 △△様
初めてご連絡申し上げます。
セールスサービス株式会社で、営業代行サービスを担当しております、笹山と申します。
貴社のホームページを拝見し、メールを差し上げました。
セールスサービス株式会社では、各種営業代行サービスをご提供しております。
テレマーケティングやセミナー・展示会・WEBによる集客、見込み客への継続的なコンタクトと商談の代行、既存顧客へのアフターフォローなど、営業に関連した業務をトータルでサポートさせて頂きます。
ホームページで拝見しましたが、貴社は様々な優れた商材をお持ちです。
是非、弊社の代行サービスをご活用頂き、さらなる売上アップを図られてはいかがでしょうか。
よろしければ、一度ご説明のお時間を頂ければと存じますが、いかがでしょうか。
直近ですと、下記の日程でご訪問させて頂ければと存じます。
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<候補日>
令和2年◯月○日(火曜日) 13:00~16:00
令和2年◯月○日(金曜日) 13:00~16:00
令和2年◯月○日(月曜日) 11:00~16:00
※ご面談は、1時間程度の予定です。
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ご訪問の際は、他社様の事例を持参し、お話をさせて頂ければと存じます。
なお、上記日程でご都合が悪い場合は、ご都合のよい日時をお知らせ頂けましたら幸甚です。
ご多忙の折、大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
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セールスサービス株式会社 営業部 笹山 肇
〒163-8723 東京都新宿区西新宿6-5-2
TEL:03-8956-2451 Fax:03-5321-1112
サイトURL:http://www.sales-servis.jp
male-address: sasayama@sales-service.jp
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まとめ:件名や文章を工夫して魅力的な営業メールを
営業マンであれば、誰でも直面する営業のアポ取りですが、昨今ではメールを活用して効率よくアポを獲得する手法が主流です。しかし、容易に送信できる反面、相手に興味を持たれなければ簡単に削除されてしまいます。営業メールの件名は、一目で内容がわかるように明記し、本文は簡潔にこちらの商品・サービスの概要と、導入後の先方のメリットをまとめるようにしましょう。
面識のない相手に、「会ってみたい」と思わせるように、魅力的な文面を工夫してみてください。