営業活動のゴールは、クライアントと受注契約を結ぶことです。 ではスタートは何かと問われれば、多くの営業マンが「営業アポを取ること」と答えるでしょう。
営業アポとは、「営業アポイントメント」の略で、営業の商談を前提として、相手と面談する約束を取り付けることです。営業アポを取るには、「飛び込み営業」や「テレアポ」など、色々な方法がありますが、やみくもに回数を重ねても、なかなかアポ取りには結び付きません。
そこで今回は、営業アポを取る上でのコツや注意点などについて、詳しくご説明します。
1.営業アポを取る前に心がけること
営業のアポを取るためには、電話や飛び込みのほかにも、メールを使う方法や、企業サイトのお問い合わせフォームを利用する手法などがあります。新規顧客を獲得するためのアプローチであれば、相手とは面識がない訳ですから、いかにも売り込みをにおわせるような、 一方的な働きかけは避けたいものです。
よく、「100件電話をかけて、1件アポが取れればよし」というような、根性論を振り回す営業マンがいますが、やたらに電話をかけて「まずは御挨拶させてください」や、「とにかくお話を聞いてください」などと言っても、相手は警戒感を抱いてしまうでしょう。
電話にしろ、メールにしろ、相手は知らない人物にそんなに時間は割いてはくれません。短い通話時間や文章で、こちらに興味を持ってもらうことが重要になります。そのために必要なことは、「相手のメリットになる提案ができるか」、ということです。それには、事前に相手の業種や提供している製品・サービスを調べておかなければなりません。
その上で、自社の商材とマッチングさせることで、相手にどのような利益がもたらされるか、簡潔にまとめておくことです。詳しく説明するには及びません。アポ取りの目的は、あくまで商談する約束を取りつけることなのです。映画の予告編のようなもので、「早く会って、続きが聞きたい」と思わせることができれば、成功と言えるでしょう。
2.電話でアポを取る
2-1.リストを作成する
電話でのアポ取りは、一般的な方法です。「テレフォンアポイントメント」あるいは、「テレアポ」などと呼ばれます。昔は電話帳を片手に、片っ端から電話攻勢をかけるという方法も取られましたが、それではあまりにも効率が悪いと言わざるを得ません。
自社の商材が一般の消費者向けであれば、業者から名簿を購入して利用します。法人向けであれば、対象となる業種を絞り込み、団体や協会に加入している企業の連絡先を収集します。大抵の団体は会員誌を定期的に発行しているので、末尾に掲載されている「会員社一覧」から引用すると、効率よくリストを作成できます。
2-2.話す内容を事前にまとめておく
リストが完成したら、実際に電話をかけていきますが、あらかじめ、話す内容はまとめておきましょう。下記のような順番で基本パターンを決め、話の流れに応じて順序を入れ替えたり、内容を付け加えたりしてください。
◯こちらの社名と名前を明確に名乗る。
◯自社がどのような会社かを、手短に伝える。
◯電話の相手がオペレータか受付の場合は、担当者を呼び出してもらう。
◯自社の商材が、相手にどのようなメリットを与えるかを、簡潔に説明する。
◯相手の反応をみて、興味を示せば会いたい旨を伝え、複数の候補日を示し、都合の良い日を選んでもらう。
◯電話の応対に時間を割いてくれたことに、素直に感謝の意を伝える。
2-3.電話をかけるタイミングにも気を付ける
DMやメールなどと違って、電話はこちらの都合で相手に時間を割いてもらうことになります。タイミングが悪いと、電話に出てもらえない可能性もあります。ことに朝の忙しい時間帯は、朝礼や早朝会議などでふさがっていることも多く、取り次いでももらえない場合があります。
午前中であれば、10時から正午までの間が狙い目です。また、相手が営業担当であれば、先方も外回りに出かけてしまうかも知れません。それを想定して、午後であれば、16時から17時頃がいいでしょう。その時間であれば、外回りから帰社しはじめる頃ですし、終業時間が近づいて仕事も片付くめどがつき、気持ちにもゆとりが生まれる時間帯だからです。
3.メールでアポを取る
3-1.件名を工夫する
今や、ビジネスツールとして、欠かせないのがメールです。
一般社団法人 日本ビジネスメール協会が公表している「ビジネスメール実態調査2018」※1によると、仕事でコミュニケーションを取るツールとして、「メール」と回答した人は全体の96.5%で最も多く、「電話」が90.2%、「会う」が68.8%と続きます。
また、仕事で1日に受信するメールの数は、平均で34.3通でした。受信数は最近では減少しており、これは、迷惑メールフィルター機能の発達により、営業メールやメルマガなどのメール受信が減ったことがわかります。
受信数が34通もあれば、件名だけで迷惑メールと判別され、開封もされずに削除されてしまうこともあります。ですから、件名には、会社名と個人名を明記し、要件を簡潔に記しておくと、開封率は上がります。
※1一般社団法人 日本ビジネスメール協会
「ビジネスメール実態調査2018」 http://www.sc-p.jp/news/pdf/180605PR.pdf
3-2.内容はあくまで簡潔に
次にメールの本文ですが、内容は電話アポの時と同じく、「自社の商品やサービスが、相手にどのようなメリットを与えるか」を、短い文章でまとめるように心がけましょう。
前述した「ビジネスメール実態調査2018」では、相手のビジネスメールが上手と感じたことが「よくある」、あるいは「たまにある」と答えた人は全体の77.8%でした。その中で、最も多かった回答が、「文章が簡潔で分かりやすい」で65.5%にのぼりました。
忙しいビジネスマンが、メールチェックに割り当てる時間は限られています。相手に何を伝えたいのか、内容は簡略にまとめましょう。より具体的に言うと、スクロールしなくても読める程度の文字量にとどめるとよいでしょう。
3-3.丁寧な表現・候補日の明記
初回に差し上げるメールですから、表現には気を使いたいものです。まず、きちんとした挨拶文を入れることです。「初めてご挨拶申し上げます」や、「突然のメールにて失礼いたします」などが好ましいでしょう。
また、正しい敬語や尊敬語、謙譲語を使用しましょう。初対面において、ファーストインプレッションが重要であるように、初めて送るメールの文面が、今後の印象を左右すると言っても過言ではありません。
アポを取る際に、相手の都合を先に考えて、「ご都合のよい候補日をお知らせください」という文言を書くこともありますが、それでは日程を先延ばしにされることもあります。そうなると、時間がたつごとに相手の興味が薄れ、面談の機会を失ってしまうことにもなりかねません。
そうならないためには、こちらから候補日をいくつか設定し、「以下の日程の中から、ご都合のよい日程をお知らせください」と提案しましょう。具体的な選択肢がある方が、相手に先約があっても、時間のやりくりがしやすくなります。
4.ほかにもあるアプローチ方法
企業のサイトは会社の顔であると同時に、リード(見込み客)や顧客とのコミュニケーションを図るツールとして注目されています。企業サイトには、必ず「お問い合わせフォーム」というページが設定されていますが、このフォームを介して営業アポを取る方法が考えられます。
この営業手法を、「問い合わせフォーム営業」と呼びます。メール営業とよく比較されますが、訪問したサイトの感想を述べ、相手の抱える課題を洗い出す点が異なります。その上で、こちらの持つ商品やサービスで、どう課題を解決できるかを短い文章で伝えるのです。
問い合わせフォーム用の文面も、メールと同様、簡潔にまとめることが重要で、文章だけで完結させてはいけません。相手に「面白そうだな」と、こちらに興味を抱かせ、会いたいと思わせることができるかどうかが鍵です。それさえできれば、アポイントは簡単に取れるでしょう。
まとめ:営業アポを取るには複数の手法があり、それぞれにコツがある
営業のアポイントを取るには、テレアポや飛び込み営業、メールなど、様々な方法があります。営業マンにとって、皆が直面する壁がこのアポ取りでしょう。
「数打ちゃあたる」的に、いたずらに電話やメールで営業のアポ取りを繰り返しても、効率は上がりません。営業アポを取るための電話やメールには、おさえるべきポイントがあります。
今回は、そのいくつかを取り上げました。弊社では、「問い合わせフォーム送信サービス」をご用意しています。この記事でご紹介した営業アポ取りのコツと、同サービスを利用して、営業活動に活かしてください。
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