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法人向け保険とは? メリットと注意点を知って経営リスクに備えよう

2021年に入り、再び国税庁が法人契約の生命保険について課税強化する動きに出ていることが報道されました。2021年4月には、国税庁から「所得税法基本通達の制定」について改正案が出されるなど、保険契約による「課税縮小」がふさがれる見通しです。

保険種類によっては、法人が支払った保険料を損金に算入できるなど、節税メリットを得られるものもありますが、そもそも生命保険は万一のリスクへの備え。法人が加入する保険も、企業経営におけるさまざまなリスクに備えるために活用したいものです。

どのようなリスクへの備えが必要か、目的をはっきり決めてそれに応じた保険を上手く活用していただけるよう、本記事では企業経営者が考えておきたい「備え」を紹介していきます。

企業経営者が考えておきたい「備え」とは?

まず、考えておきたいのが、経営者に万一のことがあった場合や、働けなくなったときの備えです。経営者に万が一のことがあると、会社の資金繰りが悪化したり、取引先や債権者から負債や運転資金の早期返済を求められたりするなどのリスクがあります。

しかし、保険に加入しておくことで、経営者に万が一のことがあっても保険金で会社の存続のための対策を講じることが可能です。また、事業承継への対策も必要になってきます。後継者は、高額な相続税の支払いを迫られ、納税資金確保のため自社株や事業用資産を売却せざるを得ない可能性もあります。

さらに、経営者の遺族の生活を考えると死亡退職金や弔慰金の準備もしておきたいものです。経営上の備えには、従業員のための備えもあります。企業では、退職金制度をはじめ、従業員に万一のことがあった場合の死亡退職金・弔慰金制度、病気やケガで休業したときの療養見舞金制度などの福利厚生制度を設けている傾向です。そのため、これらの財源を計画的に準備しておくことが必要になります。

経営者のための備え  従業員のための備え
・事業保障対策
・事業承継対策
・役員退職金対策
・従業員の死亡退職金・弔慰金
・従業員への療養見舞金
・従業員の退職金

法人向け保険とは?

法人向けの保険とは、保険金などをこれらの必要な備えに対する財源として活用するために、会社が契約者となって加入する保険(以下、法人契約)のことです。「経営者」および「従業員」への備えの必要性を先述しましたが、どちらの保障かといった加入目的に応じて、被保険者を役員または従業員とします。

一般個人の加入を対象とせず、法人だけが契約できる保険商品もありますが、基本的には個人が加入する保険と同じ種類の保険商品が企業向けに提供されています。

法人向け保険の節税メリットとは?

個人が生命保険に加入すると「生命保険料控除」の適用が受けられるため、所得税や住民税の節税につながる点はメリットです。法人契約も同様に、節税メリットを受けられる場合があります。契約者となる企業は、保険料を支払いますが、その支払い額は「資産」か「損金」のどちらかに計上することが必要です。

損金に計上できる場合は、法人税の計算上、利益から差し引くことができるため、税負担の軽減につながります。「資産と損金のどちらに計上できるか」は、加入する保険種類や契約形態によって決まるのが特徴です。以下で一例を紹介します。

定期保険

定期保険は、契約期間中に被保険者が死亡したとき、死亡保険金が支払われる保険です。いわゆる掛け捨ての生命保険で、原則として支払保険料全額が損金となります。ただし、法人向けの定期保険の中には「長期(平準)定期保険」や「逓増定期保険」という、保険期間を長く設定し、解約返戻率を高めているものがあります。

解約払戻率の高い時点で解約すれば、解約払戻金を退職慰労金の財源として利用することも可能です。このような保険で最高解約返戻率が50%を越える場合は、保険料の全額を損金として計上することができず、一部を資産に計上するようになります。

養老保険

養老保険は、契約期間中に被保険者が死亡したときに死亡保険金、満期時に生存していれば死亡保険金額と同額の満期保険金が支払われる保険です。満期が設定されているため、資金計画を立てやすく、経営者や従業員の退職金などの財源として利用することができます。死亡・生存どちらの場合も保険金をもらえる、いわゆる経費と資産の両面を持った保険です。

そのため、基本的に支払い保険料の2分の1は、役員・従業員への福利厚生費として損金に、2分の1は資産として計上します。ただし、満期保険金受取人は会社、死亡保険金受取人が役員または使用人の遺族など、契約形態に関する取り決めもあります。

法人契約の注意点

法人契約は、経営上のあらゆるリスクに備えながら節税効果を享受することが可能です。そのため、現金を積み上げて内部留保しておくよりも保険に加入するほうが、メリットがあるといえるでしょう。しかし、実はそのことが「課税の免れ」として過去から国税庁に問題視されることが何度かあったことをご存じでしょうか。

先述した解約払戻率の高い定期保険において、損金算入の保険料の範囲が制限された理由は、2019年に課税強化としてルールが変更されたからです。2021年に入ってから国税庁は、法人契約の生命保険について新たな課税強化の動きを示しました。これは、解約返戻金が少ない契約初期のうちに会社から経営者個人に保険の名義を移し替え、返戻金が増加した後に解約して節税効果を得る、通称「名義変更プラン」と言われているものです。

上述したような、事業保障・事業承継対策や退職金対策、福利厚生対策など、経営上必要な目的で加入する場合には、今回の課税強化の影響はないでしょう。しかし、税務調査が入った際に説明の根拠とするためにも、弔慰金・見舞金などの財源確保を目的として保険契約を締結することの規程を設定しておくことが望ましいです。

また、将来的に税務の取り扱いなどが変わる場合もあることを忘れてはいけません。保険に加入する目的を改めて考え、上手な法人保険の活用をしていってください。

 

デファクトコミュニケーションズではコンテンツ制作作業務を中心に、「コンサルティング」、「コンテンツ制作」、「BtoBセールス支援」の3領域で事業を展開しています。高いライティングスキルを起点に、メディア・webサイトの作成・運営管理などのご支援を行っています。自社のブランディングやマーケティング活動にお悩みの方はぜひご相談ください。

 

文・續 恵美子 日本FP協会認定CFP(R)。生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。囲み枠a

 

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