お問い合わせ

De-facto-Blog

銀行のATMが減っている!店舗数も?疑問を解決!

「銀行ATM(現金自動預払機)が減った」と感じている人は多いのではないでしょうか。実際、2010~2020年にかけて銀行が自前で設置するATMが減少しています。身近なところでも、あったはずの銀行ATMが今はなくなっているというケースも見られるでしょう。しかし、なぜ銀行は自前のATMを減らしているのでしょうか?この記事では、その理由や背景について探っていきます。

多くの銀行が自行ATMの設置件数を減らしている

近年、多くの銀行が自行のATMやCD(Cash Dispenser:現金自動支払機)の設置件数を減らしていることは事実です。以下のグラフをご覧ください。


出典:全国銀行協会

こちらは、全国銀行協会の「決済統計年報」をもとに、銀行などの金融機関が設置しているCD・ATMの設置合計数(ゆうちょ銀行を除く)の推移です。ご覧の通り、約10年でCD・ATMの設置件数が1万4,068件減少。

特に、2015~2020年の間には1万1,610件減少しており、5年ほどで減少が加速している様子がうかがえます。

銀行が自前のATMを減らしている理由

銀行が年々自前のATMを減らしているのには、以下のような2つの理由があります。

多額のATMコストが銀行の大きな負担になっている

長引く低金利状態で利益が落ち込む各銀行では、多額のATMコストが大きな負担になっています。それこそが、銀行が自前のATMを減らしている一番の理由です。銀行ATMの設置や維持には、設置場所の賃貸料や現金輸送の委託費用、人件費、光熱費などのコストがかかります。

ATM1台あたりの価格は300万円ほど、加えて管理や維持に関する費用も月30万ほどかかるといわれています。それが銀行にとって大きな負担となっています。特に、地代が高い一等地では、警備費などさらにコストが高くなる傾向にあり、次々と自行ATMを撤退させる銀行も増えているのが現状です。

インターネットバンキングやキャッシュレスの普及でATMの利用件数が減少

銀行が自前のATMを減らすもう一つの理由として、ATMの利用件数が減少していることが挙げられます。具体的に説明するため、全国銀行協会の「決済統計年報」をもとに2010~2020年におけるCD・ATMの支払件数推移をグラフにしてみました。


出典:全国銀行協会

以上の通り、2020年の支払件数は2010年の半数近くまで減少傾向です。その背景には、オンラインで銀行取引が完結するインターネットバンキングや、現金を介さず支払いができるキャッシュレス決済が普及してきたことがあります。

ATMの需要自体が減れば、ハイコストなATMを多数抱える必要もないわけです。そう考えれば、銀行が自行ATMを減らしていることにも納得がいくのではないでしょうか。

「自前のATM」から「共同ATM」への移行を進める銀行業界

一方、近年増加傾向なのが銀行など複数の金融機関が共同運営するコンビニATMなどの「共同ATM」です。銀行業界では、「自前のATM」→「共同ATM」への移行を推進しており、新聞などのメディアでもそのことが大きく報じられています。

「共同ATM」は年々増えている

銀行が共同ATMへの移行を推進していることもあり、共同ATMの設置台数は増加傾向です。その裏付けとして、ここでは共同ATMの一種であるセブン銀行ATM設置数の推移をグラフで示します。


出典:セブン銀行3月期月次推移

以上の通り、セブン銀行のATM設置台数は2011~2021年の間に1万313台増えました。他のコンビニなどでも共同ATMが増加していると思われますが、どうやら銀行が共同ATMの移行を進めていることは間違いないようです。

共同ATMへの移行はコスト面で銀行に大きなメリットがある

「自前のATM」→「共同ATM」といった動きは、銀行にとってコスト面で大きなメリットがあります。なぜなら、ATMを複数の金融機関で共同運営することにより、ATMの設置・維持コストを削減できるからです。自前のATMの場合、設置・維持費用などの高額なコストをすべて自行で賄う必要があります。

しかし、共同ATMであれば、各金融機関で分担する形となるため、負担を軽くすることが可能です。現金を介した取引が減ってATMへの需要が低下している時代において、ATMコストを下げることは銀行にとって重要な命題といえます。

とはいえ、今でも現金を介する銀行取引や支払いは数多くあり、口座から現金を引き出せるATMはまだまだ必要です。もちろん、銀行業界でもそれは承知しています。だからこそ、低コストでATMを運用でき共同ATMへの移行を急ピッチで進めているのです。

ただ、今後オンラインバンキングの普及やキャッシュレス化がさらに進めば、共同ATMの設置数も減少する可能性もあるでしょう。

ATMだけではない!銀行は店舗数も大きく減らしている

近年は、インターネットバンキングの普及により、多くの銀行取引がオンライン上で完結できるようになりました。それをふまえて、各銀行はコストの削減と業務の効率化を目指して自前のATMだけでなく店舗数も減らしています。

例えば、メガバンク最大手の三菱UFJ銀行は、2020年3月時点の店舗数(515店舗)をその約4割(約200店舗)まで減らす計画です。他行でもそれと同様の動きが出ており、店舗の廃止や業務の縮小、店舗に配する行員の削減などの動きが活発化しています。

それに伴い銀行の窓口対応も大きく変化しており、来店した客が自分で操作する端末などを通す手続きも増えました。その流れからすると、将来は実店舗がある銀行でもインターネット専用銀行と同じ形態となり、すべての手続きがオンラインで完結する時代が来る可能性も高いのではないでしょうか。

銀行ATMの減少は、その先駆けといえるかもしれません。

 

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替・口座振替などの業務経験を生かしたマネー関連の記事や、30年の家計管理経験を生かした節約系の記事、ライフスタイル系記事を多数執筆。所有資格:FP3級。

デファクトコミュニケーションズではコンテンツ制作作業務を中心に、「コンサルティング」、「コンテンツ制作」、「BtoBセールス支援」の3領域で事業を展開しています。高いライティングスキルを起点に、メディア・webサイトの作成・運営管理などのご支援を行っています。自社のブランディングやマーケティング活動にお悩みの方はぜひご相談ください。

関連記事

おすすめ記事

  1. 営業のアポ取りにはコツがある/効果的な電話やメールによるアポ取りをご説明します。…
  2. 国内の新型コロナウィルスの感染者数は日ごとに拡大し、4月17日現在で1万人※1を超え…
  3. 新型肺炎コロナウイルス関連助成金(2020年度4月版)をご説明します。…

読まれている記事

  1. 2020-2-13

    FX各国通貨の特徴を抑えよう

    通貨の特徴を知れば、儲けのポイントが見えてくる 外国為替証拠金取引で取引できる通貨…
  2. 2019-12-9

    東京海上様向けブランディングツール制作実例

    東京海上日動火災保険の皆様です。 弊社のクライアントである東京海上日動火災…
ページ上部へ戻る