金融商品をどこで買えばいいか

金融商品は、それぞれ購入方法が異なります。たとえば、Aという会社の株を購入しようと思ってA社へ行っても、残念ながら株は購入できません。個人投資家は証券会社を通して株を購入することになります。証券会社は投資家の購入したい株を代わりに購入し、手数料を受け取ります。証券会社によって、直接窓口で購入できたり、電話やインターネットなどがあります。大手証券会社では窓口で購入できますが、インターネットでのみ売買を行うオンライン証券もあり、大手と比べて、手数料などが安いのが特徴です。

ついで、FX(外国為替証拠金取引)の場合。個人投資家は、FX取引専門会社やFX取引のできる証券会社などを取引相手として行うことになります。FX取引会社に口座を開いて必要な資金を入金すれば取引がスタートできます。通常、これらはパソコンか携帯(モバイル)で行われます。もちろん、口座管理もオンラインで行えます。会社によっては、電話で取引できるところがあります。しかし、24時間体制の会社、対応時間が限られる会社、緊急時のみ(サーバーダウンなど一時的なシステム障害時)対応という会社など、電話取引の内容は様々です。

投資信託であれば、主に証券会社と銀行で購入できます。ただし、銀行と証券会社(さらにインターネット専業の証券会社)とでは、いくつかの違いがあります。一般に銀行に比べ証券会社の方が取扱う投信の銘柄数は多くなっています。できるだけたくさんの銘柄の中から選びたい、投信だけでなく個別の株式や債券なども購入したいという人は、証券会社に口座を開く方がいいでしょう。預貯金だけでなく少し投信も買ってみたいという場合は、すでに取引のある金融機関で購入することをおすすめします。

その他、ETFや国債などもありますが、これらも主に銀行や証券会社で取り扱っています。興味のある商品があれば一度、関連の金融機関に問い合わせをしてみましょう。

投資にかかる税金

株や投信で20万円以上儲けた人は申告が必要です。上場株や株式型投信を売って儲け(売却益)が出た時は「譲渡所得」となり税金を払うことになります。この場合は給与や配当金などの所得とは分けて課税され、税率は時限措置として軽減税率の10%が適用されます。しかし、儲けが出ても一定の条件にあてはまれば申告不要になります。

たとえば給与所得の会社員で1年間の売却益の合計が20万円以下の時。また、特定口座の「源泉徴収あり」を利用している場合です。こちらは証券会社が税金の手続きを代行してくれます。株と投信(株式投信)の売却益はどちらも譲渡所得となり、それぞれの利益と損失を通算することで利益を圧縮できます。また、株の配当金や投信の分配金はすでに源泉徴収されているため、基本的に申告する必要はありません。また、株や投信で損失が出た時は「譲渡損失の繰越控除」を使って、今回の確定申告で相殺しきれなかった分を今年以降3年間繰り越すことができます。つまり、2013年の損失を2016年まで繰り越して、その間の売却益と相殺できます。

NISA

2014年1月から「NISA(ニーサ)」と呼ばれる少額投資非課税制度が新たにスタートします。

通常、株式や投資信託などから得られた配当や譲渡益は所得税や地方税の課税対象となります。しかし、NISAは、毎年100万円を上限とする新規購入分を対象に、その配当や譲渡益を最長5年間、非課税にする制度です。

なお、NISAはイギリスのISA(アイサ)を手本にしており、Nは日本(Nippon)を意味しているとのことです。ISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)は、1999年よりイギリスで導入された制度です。今では、同国民の約4割が利用しており、資産形成や貯蓄の手段として広く定着しています。

NISAの制度対象者は20歳以上の日本国内居住者で、非課税対象は上場株式・公募株式投資信託などの配当や譲渡益となります。非課税期間は最長5年間、投資可能期間は2014年~2023年(10年間)までですが、期間終了後、新たな非課税枠への移行による継続保有が可能であり、最長14年間(2014年~2028年)にわたって、このメリットを享受できます。

日本ではこれまで投資は一般的ではなかったこと、また経済環境や雇用情勢の悪化などから、将来の生活への備えとなる預貯金や株・投資信託・保険といった金融資産を全く保有していない世帯、いわゆる「金融資産ゼロ世帯(二人以上世帯)」が急増しています。

NISA導入は、若い世代をはじめとする人々が将来に向けた資産形成に取り組み、貯蓄から投資へ」の流れが促進する役割が期待されています。

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