外国為替市場とは「通貨同士を交換する場所」
では、FXで利益を上げるために「為替相場の仕組み」を理解していきましょう。まず「外国為替市場」とはなんでしょうか。
簡単に言えば「外国為替市場」とは、「通貨を交換する場所」のことです。
ただ、「場所」と言っても、株式における東証や大証のように、物理的な取引所が存在するわけではありません。FXは、株式と違い、通貨を買いたい人と売りたい人の間で合意に達すれば取引が成立する「相対取引」なので、市場参加者がネットや電話を使って取引をしたすべての場所が「外国為替市場」と呼ばれるのです。
為替レートの基準(ベンチマーク)は、「インターバンク市場」というところで決められています。インターバンク市場とは、信用度の高い銀行など金融機関が、相互に資金の運用と取引を行う24時間体制の市場のことです。電話回線や専用ネットワークを通じて相対形式で取引が行われています。
円の価値が下がったら「円安」、円の価値が上がったら「円高」
テレビでは毎日、「円安ドル高」、「円高ドル安」、などと騒がれていますが、これは本来どういう意味なのでしょうか。
例えば、1ドル100円から110円になった時は「円安」です。考え方としては、以前までは100円払えば1ドルが買えたのに、110円払わないと1ドルが買えなくなってしまったということ。つまり、円の価値が10円分下がってしまったというわけですね。だから「円が安くなった→《円安》」なのです。
反対に、1ドル100円だったのが、90円になったとすれば、100円払わないと1ドルが買えなかったのに、90円払うだけで1ドルが購入することができるようになったので、「10円分、円の価値が高まった→《円高》」ということなのです。
では「1ドル100円は、円高でしょうか?それとも円安でしょうか?」
これに対する答えは、ありません。
なぜなら、通貨の価値は「過去と比較してどうなったか」ということ決定するからです。1分前、10分前、1日前に比べてどうか、という考え方が全てです。一般的に、テレビなどで報じられる「円高・円安」は「前日の同時間比として」といういみです。
「為替レート」は、買いたい人と売りたい人の力関係で決まる
「1ドル○○円」というような、「為替レート」は、つまり通貨交換時の「比率」のことです。この為替レートは、刻一刻と変動しています。では、どのような要因で変化していくのでしょうか。難しく考える必要は全然ありません。
為替レートは、普通の商品のように、重要と供給で変化していくのです。例えばお菓子だったら、「このお菓子はおいしい→もっと欲しい→価格が高くても買う」また「このお菓子はおいしくない→あんまり欲しくない→価格が安くないと買わない」そんな風にできていますよね。為替レートもこれと同じです。欲しい人が多ければ、その通貨は上昇し、逆だったら下落するというとてもシンプルな仕組みです。
例えば2008年、米国でサブプライムローン問題が表面化し、米証券大手のリーマン・ブラザーズが破綻しました。その後、「米国経済に対する不安感→ドルは持っていたくない」という人が増えました。そして、「円やユーロと交換したい人」が増えたことで、ドル安が進んだのです。ただ通貨の場合は、お菓子よりもその理由が複雑なので、そこの見分けに少し勉強が必要なんですが。
なぜ「米ドル」は世界中から注目を浴びるのか?
通貨は、基本的に「その国の強さ」を表します。世界には数多くの通貨がありますが、現在は、米国の「ドル」が主軸通貨として重要視されていますよね。
なぜ、ドルが重要視されるのでしょうか?
これは結局、「アメリカ経済が世界中から信用されている」からなんです。もっというと、「ドルは何が起きても、急落しない」「今のドルの価値は、米国の高い経済力に拠っている」「軍事力もあるから戦争が起きても平気だろう」という風に、世界のほとんどの人が思っているから、ドルが主軸通貨になり得ているのです。
逆に、世界中の人々が、「ドルよりも『円』の方が、もしもの時に安心だ」とか「米国よりも日本の方が経済力が上だ」という風に思えば、主軸通貨はドルから円に切り替わるでしょう。金融恐慌後、米国の経済の低迷を受けて、「主軸通貨が代わるか?」という議論が起こりましたが、金融恐慌の影響は世界中に派生し、世界的な経済の低迷を引き起こしてしまったので、次の主要通貨が見つからない、という状態にあります。