一つの要素としてネットを上げたが、無料であれば、時間の問題なく進めていければいいと思います。本当に欲しい情報を得たいとき、一番効果的なインフォハックは、実は役所や公共団体に聞く、という単純なことです。新聞記者時代に大活用したのはJETROや経済産業省、総務省、内閣府などです。彼らはいい意味でパブリックサーバントなので、必要に応じてデータをくれます。税金の事を知りたかったら、税金のことを何十時間もかけて勉強するよりも、数分をようしてネットで最寄りの税務署の電話番号をしり、アポイントメントを取り、直接会いにいって質問した方が効率がいいです。

10分ルールを作る

何かを調べる、探す、勉強する、という時に、「知識をここまで持ち上げる」という認識は自分では持ちづらいものです。そんな時には10分ルール。PCのガジェットでもスマホのスケジュールにデフォルトで入っているタイムウォッチでもいいですが、とにかくよーいスタートから10分間で調べ物を終わらせる癖をつけます。ダラダラやっているとウェブサイトの閲覧はとにかく時間を無駄に食います。わたしの経験ですが、たいていのことは、適切なクセとコツさえつかめれば10分でおわります。

とにかく「すべてを知ろう」とは思わないこと。ポイントだけ把握していればそれでOkです。雑多な情報、自分の興味も及ばない情報というのは雑誌のようなメディアがやってくれますから、そこに注力する必要はないのです。

とにかくエバーノートとワードまとめだけで基本的な情報収集は完備したと言っていいでしょう。あとはそれをまとめて取得するデバイスと時間が確保できればいいのです。前述の通り、通勤時間、寝る前、喫茶店、食事の時などがおすすめです。

スクラップはいらない。どんどん捨てればいい

証券会社とかだと、新聞を切り抜いてスクラップブックにすることを社員の義務にしています。証券の営業マンはそうやった方がいいと思いますが、普通の人はそこまでやる必要はないと思います。脳みそは大抵、いらないものを認識しません。その代り、その記憶が痛かろうがなんだろうが、必要であるものは覚えているものです。だから、情報を集めるだけ集めるなんて言うバカげたことはやめていいです。それよりも、ニュースから物語を作ることが大切なのです。

そしてそれから、要点をまとめる癖をつけるべきです。批判的に見聞きし、自分の言葉で「つまりこれは~」という風に、言葉を紡いでいく。それだけで理解は何倍にもなります。自分が分かっていなかったということもわかります。

乱雑にニュースを読み、流れを掴む

私はツイッターのタイムラインはプライベートでしか使わず、ほとんど見ません。情報収集には、マイリストの拡張を行います。私は現在個人的に「為替」、「株式」、「政治」、「ビジネス」、じ「ジャーナリズム」、「一次情報」、「二次情報」、「三次情報」などに分けています。また、有益だと思われる投資家やジャーナリスト、ビジネスマンのリストをフォローしたりもしています。

フィード系のソースでも私は、登録フィードを「NEWS」、「finance」、「FX」などに分けて使っています。全部で150ほどのサイトがあり、特にNEWSに含まれている新聞社系サイトやテレビ系サイト等は情報量は多く、翌日になるとフィード全体の数は1000を超えます。

1000の記事をじっくりと読むことは時間がかかり過ぎ、難しいでしょう。私が実際に行っているのは、ツイッターのリストのラインに流れてくる題名だけを追い、そこで全体を包括的に見て、一日の流れと注目ニュースを確認します。

そしてフィードでもまずは同じことをします。フィードにある情報の題名だけを読み、そこから「これは!」また「なんだ?」と思うものを別ウィンドウで開きます。そこでのポイントは、「あまり吟味せず、興味をひかれた題名のニュースをピックアップ」することです。

ワンポイント、小さなことですが、PCのスペックにもよりますが、別ウィンドウで開くと、処理速度が遅くなり、最悪の場合はフリーズしてしまいますので、(あくまで私の場合ですが)3~40記事ぐらいを別ウィンドウで開いたら、まずはいったん止めて、気になった記事をワードやメモに張り付けていきましょう。

この時、一緒に動画やいらない画像がついてこないことを望む人であれば、メモ帳への貼り付けが便利です。また、microsoft office word2011以降の仕様であれば、一発でべた張りに変換可能なのでそれでもスムーズにコピペできます。

そしてその作業を時間の許す限り何回か行います。

私の場合は、8時30分から9時30分までが情報収集の時間と決めていますので、だいたい少なくて5回、多くて10回が限度です。

この時、似たようなニュースを何度も拾ってしまうということをしがちですが、全然問題ありません。むしろ大歓迎です。なぜなら、そのニュースはそれだけ“各メディアに注目されているから”という証拠になるからです。

情報を捨てるときの考え方

あなたのワードドキュメントには、膨大なその日のニュースが存在しているはずですね。ここで重要になってくるのは、「いらない情報を捨てる」ということです。

ここで重要なポイントがあります。はたして、金融情報における「いらない情報」というのは、何を指すのでしょうか?

金融経済における「いらない情報」とはなんでしょうか。それを考えるには、まず「あなたはなぜ情報を収集しているのでしょうか?」という質問を自分に投げかけてみてください。あなたは、情報収集を楽しみでやっているわけではありません。冒頭で述べたように、生き抜くための術としての「投資」、それを成功裏に収めるために情報を収取しているわけです。

投資で勝ち抜くために必要なことは、マーケットを読むことです。

そして、マーケットを読むために最も大切なことは、何が(どんな情報が)、マーケットを動かしているか、ということです。

ここに「いる情報」と「いらない情報」の違いがあるのです。いる情報というのは、あなたのワードドキュメントの中にある「マーケットを揺るがす(もしくはすでに揺るがしている)材料」。そして、いらない情報というのは、「マーケットを揺るがさないであろう(もしくは揺るがしていない)材料」なのです。

まだ金融情報に慣れていない人は、「いる材料」を主観的に判断すべきではないと思います。より客観的に判断するには、あなたのワードドキュメントに書かれている金融情報の中で、「何度も単語が出てくる」「メディアは別でも、同じ論調で書かれている」ことに注目してみていって下さい。メディアが違った時に、一つの素材に対して真逆のことが書かれているのは、まずは無視していって構いません。

まずもっとも「必要な材料」というのは、相場に影響を与えている情報です。相場に影響を与えている情報と、事実、これは実は合致しません。そこら辺のポイントを見極められるようになれば、勝てる投資家に近づいているといえるでしょう。

「センチメント」

相場に影響を与える情報というのは、実は感覚的なものだったりもします。相場では「センチメント」とか「相場心理」と言われています。そういったことに注意して、自身で作成したワードドキュメントを一気に読むことをお勧めします。ランダムに読んでも注目すべき内容は、心配しなくても勝手に何度も記事の中に出てくるので、自動的に「優先順位の高い項目」という風に自分の頭の中に入ってきます。ここでのポイントは、自分が注目しているのではなく、マーケットが注目していることに自分も注目してみる、という視座を持つことです。

これを「市場の視点」とも言います。もそもマーケットや金融市場は、真実を元に動いているわけではありません。市場参加者が勝手に作った噂が独り歩きしていることもあれば、なんとなく動いていることもあります。勝ち抜くための情報収集術とは、つまりは「世界にとっての事実」ではなく「市場にとっての事実」を選ぶということにほかなりません。

出し抜くでなく、市場と同調する

マーケットは、「人の気持ちの全体像」を具現化したもの。市場、マーケットという言葉はある種の大人が使うとまるで魔法のような感じに聞こえて、とても知らない人が入れないような状態を作り出しますが、本来、マーケットというのは、人の気持ちの全体像を具現化したものです。だから美人投票と言われるように、皆がそう思うならそうだ、という感覚は非常に正しいです。市場と同調することが大切だと思います。

投資家はもともと負けている?

ゼロサム理論を知っているでしょうか?ゼロサムとは、損失と利得の総和が全体ではゼロになることを言います。つまりどこかで利益が出ていれば、その分、どこかで損失が生じているということです。

投資の世界ではこの理論はよく使われます。

金融経済市場に出回っている資金が一定ならば、投資で利益を上げたら、それは“損をした誰かから取っている”という理論です。 

しかしながら、よく忘れられてしまうのが、カジノにおけるディーラーの役割である金融業者の存在です。金融業者は必ず、得をするようにできています。別にズルをしているというわけではありませんが、そうしないとカジノを運営する意味がありませんよね。

マーケットも一緒です。各取引所とそこに付帯する金融業者は常に固定的な利益を「投資家の売買動向」からえるわけです。

ということは、ゼロサムではなく、むしろ

「投資家の勝ち±投資家の負け」-業者の取り分=0

という計算方式が成り立ちますよね。

つまり、普通の個人投資家は、「負けからスタート」ということになるのです。

マーケットにおける資金量

機関投資家と個人投資家の違いは、情報量に加えて、資金があります。はっきり言って、マーケットというのは、資金に余力がある方が有利なようにできています。個人投資家としてサバイブしようとする我々は、考え方として、機関投資家に、もしくは世界の金融経済に立ち向かう、というやり方でいいのでしょうか?

おそらくダメだろうと思います。

市場に立ち向かう、ではなく、市場を出し抜く、でもありません。

ポイントは、市場と同調する、ということです。

知識と技術は、海の中で波に流されぬようにあらがうために培われるのではなく、波にうまく乗るために使われるべきなのです。出し抜くということができる投資家もいますジョージソロスがそうでした。もちろん、それが大当たりした時の利益は半端ではありません。しかしそれには当然、当初の資金が必要ですし、情報量も使う人的ソースも甚大でしょう。 

私たちにできるようなことではありませんし、目指すものでもありません。

私たちの目的は、極端な利益の奪取ではなく、あくまで金融経済を有効に活かし、社会の中で自活、サバイブするための技術を得ることです。

ですから、出し抜くのではなく、“同調“するために、知識と技術を蓄えていきましょう。

コンテンツマーケティングを成功に導く3つのステップ